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セミナー・イベントレポート

AIとグローバル視点で切り拓く、日本経済再興のシナリオ

2025年11月6日、東京・銀座の株式会社EXIDEAオフィスにて、ASBF Japan(アジアスモールビジネス連盟 日本)主催のイベントが開催されました。今回のテーマは、AIとグローバルで考える日本経済の再興。会場とオンラインを合わせ多くの経営者やリーダーが集い、熱気に包まれた一夜となりました。

基調講演には、15年にわたりアジアのスタートアップシーンを追い続け、現在はBeing Digital合同会社のCEOを務める池田将氏が登壇。失われた30年を超え、日本企業が世界で戦うための具体的な戦略とマインドセットについて講演しました。

国内市場の居心地の良さを捨て、外へ出る覚悟

池田氏は冒頭、日本のGDP成長率の低迷やユニコーン企業の少なさといった厳しい現実を直視することから話を始めました。特に強調されたのは、日本のスタートアップや中小企業が抱える内向きの姿勢です。日本市場は規模が大きく、言語や商習慣の壁に守られているため、国内だけでビジネスが完結してしまう居心地の良さがあります。しかし、人口減少が確実な未来において、それは緩やかな衰退を意味します。

一方で、世界への扉を開く鍵として池田氏が挙げたのがAIとディープテックの掛け合わせです。生成AIの進化により、長年日本企業の足かせとなっていた言語の壁は事実上消滅しました。また、日本が強みを持つ製造業などの技術力(ディープテック)は、文化や文脈に依存するソフトウェアサービスに比べて、世界展開における障壁が低いという特性があります。

池田氏は日本企業が取るべき行動として、完璧主義からの脱却を提言しました。製品が完成してから市場に出すのではなく、未完成のベータ版であっても世界市場に問いかけ、フィードバックを得ながら修正していく。このアジャイルな姿勢こそが、グローバルスタンダードへの近道であると説きました。

パネルディスカッション:中国AIの進化と人的ネットワークの価値

後半のパネルディスカッションでは、ASBF Japan代表の田中森士、副代表の小川卓真(株式会社EXIDEA代表)が加わり、議論がさらに深められました。

小川は、BtoCのみならずBtoB市場でも国内需要の縮小が避けられない現状を指摘。経営者自身が海外に出るという意思決定の重要性を語りました。

議論の中で特に会場の関心を集めたのは、アジアにおけるAI事情とパートナーシップのあり方です。池田氏は、中国のAI技術が動画生成や音声認識の分野でアメリカを凌駕する勢いであることを紹介。TikTokなどのプラットフォームを通じて収集された膨大なデータがその進化を支えており、日本企業も西側諸国の技術だけでなく、アジア独自の進化にも目を向ける必要があるとの見解が示されました。

また、海外展開における人的ネットワークの重要性についても活発な意見が交わされました。現地の財閥や華僑ネットワークにいかに入り込むか。そのためには、JETROなどの公的機関だけでなく、現地の大使館や既存のコミュニティを積極的に活用し、信頼関係の連鎖を作ることが成功の鍵であることが共有されました。

3つのPで繋がる、次世代のビジネスコミュニティー

イベントの最後は、参加者同士の交流会が行われました。ASBFが掲げるPeople(人)、Purpose(存在意義)、Planet(地球または地球環境)という3つのPの価値観に共鳴する参加者たちは、業種の垣根を超えて活発に情報交換を行いました。

単なる名刺交換にとどまらず、日本からアジア、そして世界へどう打って出るかという視座の高い対話が各所で生まれており、ASBFというコミュニティーが着実に熱量を帯びてきていることが感じられました。

技術と志を持つ日本の中小企業が、AIという武器を手に国境を越えていく。そんな未来の実現に向け、ASBF Japanは今後も実践的な学びと繋がりの場を提供してまいります。

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